クリスマススペシャル覚え書き

先週の水曜日に研究室恒例のクリスマススペシャルがあって
今年のiPod touchは石川がさらっていった。


今年の石川の優勝作品はこれ。
Radical Qualia Fundamentalism
http://jp.youtube.com/watch?v=BKqWZXqrWAk


6年も参加してはっきりみえた法則は
同じことをしても勝てない
ということで、これは
マンネリ化すると飽きられるという
エンターテイメントの本質に由来することなのか
それとも毎年、若い人がそれまでになかったことに
挑戦するからなのかはわからないけれど
景品がいいから、モチベーションが喚起され
みなそれなりの脳力を投資してくるがゆえに
新陳代謝が生まれているという面はあると思う。


もうひとつわかっている法則は
投資した作業時間と作品のインパクトは比例しない
ということなんだけれど
これがなぜなのかはなかなか深い問題だと思う。
映画だってお金がかかっていても
おもいっきり駄作であることはよくあることで
エンターテイメント、おそるべし、だと思う。


ことしの作品はこれ。


interface


今までを振り返って思うことは、自分は
見ていて気持ちのいい動画とはどういうものなのか
ということに興味があって
これはもうアニメとかゲームの世界ではずっとずっと
追求されていることで
そして最近では、WiiとかiPhoneみたいに
より直感的な運動が織り込まれた
映像の気持ち良さというのが追求されている。


アニメは、かっこよくて思わず何度も見てしまう
シーンというのがあって
それは自分ではビジュアルドラッグだと思ってるんだけど
もしそのときの脳活動をはかることができれば
きっと、脳の報酬系が活動していると思われる。


そしてビジュアルドラッグたらしめている
理由というのを考えてみると
アニメは、中抜きという技術があって
実写ではありえないフレームとフレームのつながりが
アニメだと自由につくることができるから
映画だってフレームを切り張りすれば
現実にはありえない動きをつくれるのだろうけれど
アニメは脳内イメージをダイレクトに
絵にしていくというのが基本なので
(作画力さえあれば)どんな脳内イメージも
表現できるがゆえに、アニメは脳内にある
動きと脳内報酬を関係づける抽象的な
刺激-報酬のパラメーター空間を
なによりも自由に探索できる表現形態なのではないかと思う。


ゲームやパソコンのインターフェースは
そこに運動が加わってインタラクティブになるので
要素は増えているけれど、刺激-報酬の抽象的な
パラメーター空間を自由に探索できるという意味では
アニメと同じだと思う。


それで前置きが長くなったわけだけど
今年はいままでつくってきた動画たちをリミックスして
なんか見ていて楽しい、という映像を追求してみた。


個人的にパソコンのインターフェースは
思考における概念の運動に似てくるほど
脳は気持ちよく感じるという仮説があって
ようは夢みたいにほんらいつながりようのない
イベントがどんどんつながっていくというのが
究極のインターフェースになると思っていて
そんなようなものをイメージして
試行錯誤しながら動画を切り貼りしているうちに
いつのまにか上のような動画になったわけだ。


過去の作品の一覧:

2004: wherever window
http://i-mind.blogspot.com/2004_12_01_i-mind_archive.html#110380647167946948
http://jp.youtube.com/watch?v=OFF-pz-iHlY

2005: aha rat
http://i-mind.blogspot.com/2005_12_01_i-mind_archive.html#113501026848337663
http://jp.youtube.com/watch?v=AnKLmYWciVI

2006: 映像詩:海の一日
http://d.hatena.ne.jp/toooru/20061223