一年を振り返って。

今年は一年が過ぎるのがとても速かった。
ぞっとするほど速かった気がする。


書きたいことはいろいろあったきがするけれど
書きたい衝動があったときに書かないとだめなことばかりで
それでも今年一年間を振り返ってみると
思考という名のオーケストラのなかで
通奏低音のようにずっとなっていたのが「価値」の問題。


価値とは相対的なもの。
そして人は成長の過程で特定の価値観を
意識的・無意識的に取り込んで
その価値観によりそって生きていく。


それで、自分の脳はいま
3つの価値観に反応していると思う。


1社会的価値観
お金とか社会的地位によって測られる価値


2業界的価値観
研究者ならば論文の数(インパクトファクターが高ければなおよし)
によって測られる価値


3真理的価値観
生命とは何か、意識とは何か、世界と何か、人間とは何か・・
などなどのいわゆるハードプロブレムに対する
貢献度によって測られる価値


この3つの価値を共存させること
そうするにはどうすればいいのか?がいまの自分にとって最大の問いで
3→2→1の順番でことが進むのが
一番自然なvalue chainだと思い
あたまをずっとフル回転させているわけれだけれど
どうもずっと空回りしているっぽい。
一方では、ある敷居値を超えれば相転移のごとく
一気に何かが進展するような気もするのだけれど
日の目をみるときはくるんですかね。


というわけで
どん底のときに思い出したい3つの言葉を書いて
2007年をおわる。


どん底に落ちて八方塞がりになったら「底を掘れ!」 by 養老孟司

養老孟司 玄侑宗久 脳と魂

養老 その場その場で、それなりに満足してるっていうことですよ。まさに成就したんですかねえ。まあ、ダメならダメで「しょうがねえや、それで」って開き直れるんですよ。そういう生き方したほうが楽なのになあと思うんだけど、やっぱり多くの人は、「こうしたらああなる」「ああすればこうなる」で自分を窮屈にしてるんだ。だからね、どん底に落ちて八方塞がりになったら、「底を掘れ!」っていうのが大好きなんです。どん底に落ちたら、そこから先は上がる一方だなんて甘いこと言うんじゃねえ。「掘れ!」ってね。


2「自分の心細さとか不安だけを信じる」 by 保坂和志  
http://122.200.201.84/interview/archives/no136.html


3「バラバラの点であっても将来それが何らかのかたちで必ず繋がっていくと信じなくてはならない」 by スティーブ・ジョブス

スティーブ・ジョブス氏のスタンフォード大学卒業祝賀スピーチ
http://sago.livedoor.biz/archives/50251034.html

 もちろん大学にいた頃の私には、まだそんな先々のことまで読んで点と点を繋げてみることなんてできませんでしたよ。だけど10年後振り返ってみると、これほどまたハッキリクッキリ見えることもないわけで、そこなんだよね。もう一度言います。未来に先回りして点と点を繋げて見ることはできない、君たちにできるのは過去を振り返って繋げることだけなんだ。だからこそバラバラの点であっても将来それが何らかのかたちで必ず繋がっていくと信じなくてはならない。自分の根性、運命、人生、カルマ…何でもいい、とにかく信じること。点と点が自分の歩んでいく道の途上のどこかで必ずひとつに繋がっていく、そう信じることで君たちは確信を持って己の心の赴くまま生きていくことができる。結果、人と違う道を行くことになってもそれは同じ。信じることで全てのことは、間違いなく変わるんです。