いつもの道を

五反田駅から研究所に向かって歩いていると、
男の人が後ろから小走りで追い抜いていった。


その男は日本代表の青いユニフォームをきていた。
日に焼けた顔、伸びた髪を後ろで結わえて、年齢は30前半ぐらい。
詰まったリュックを背負っていて、
その両脇からビニール袋がぶら下がっている。


小走りにあるきながら、並ぶ自販機の釣り銭口に
ひょいっひょいっと手を突っ込んで釣り銭をチェックしていく。
コンビニ前のゴミ箱の中身も丹念にのぞいていく。


一連の動作がかれの小走りの動作のなかに
なめらかに組み込まれていて
なんだかその道を極めた達人に見えてきて、
面白いと思った。


そうしていたらネットサーフィンで
養老さんと甲野さんの
古武術の発見―日本人にとって「身体」とは何か
という本を発見して、思わず購入。